第25回 さいたま市長選公開質問
マンション紛争の被害者の集まりがあると聞き、昨年から参加しています。毎月第2土曜日にパルコ9階で集まり情報交換をしている「住環境ネットさいたま」です。そこが中心となって「ずっと住みたいまちをつくる政策を聞く会」を結成し、前々回の市長選から候補者あてに公開質問状を出しています。今回も中森ふくよ、前島ひでお、清水はやと各氏3名の候補者から回答をもらいました。「ずっと住みたいまちをつくる政策を聞く会」のホームページで見ることができます。 http://machiseisaku.wp.xdomain.jp/
以前はそれほどではなかったようですが、今回は15以上の団体が公開質問状を出したとのことです。回答は市民が関心あることについての公約になるので、公開質問状は有意義だと思います。
第23回 東京大学の景観をそこねる建築
ついでに東京大学の建築について:
現在東京大学の本郷キャンパスでは新築している建物には、昭和初期の建物群と違って景観を全く考えていない建物が多く残念です。
まず安田講堂です。国の登録文化財であり、最高学府の象徴でもある安田講堂なのに後ろから新築の理学部の校舎がのぞいて、景観がだいなしです。だいたい壊した理学部の校舎は文化財になりうる建物だったのに。全国に土地を持っている東大がなにも本郷だけに、しかも安田講堂の裏に理学部を集中させなくとも、いくらでも方法はあっただろうと思うのです。
つぎに安藤忠雄東大名誉教授が設計した赤門北側の建物です。
東大の塀を見ながら気が付いたのは、震災後の東大の設計は、表通りに面して外側からも美しく見えるようになっているということでした。これでしたら周辺の住民たちにとってより優れた住環境を提供することにもなります。そういう目で見たら、震災後建てられた全ての校舎は道行く人々の目を楽しませることを考慮しているようにも見えました。素晴らしいです。
ところが先日行ってみたら安藤氏の不粋な建物が赤門脇に出来ていてがっかりしました。四角いコンクリートの長いつまらない建物がおしりを市民に見せ、しかも大学の中の景色を見ることも出来なくさせてしまっていたのです。
。
第21回 塀について(2)
阪神・淡路大震災の時も、多くのブロック塀が倒れ、神戸市相楽園の主客門は倒れていないのに、脇の長い漆喰壁の塀は壊れるなどの被害を見ました。高速道路も倒れていました。長い建造物は地震の波に耐えられないと思いました。建築基準法施工例の2.2メートル以下の高さでもブロック塀が倒れない保証はありません。子どもが歩いていたら怖いと思いました。例えばコンクリート製のブロック塀は1メートルまでとして、上にアルミ製などのフェンスや木製の塀などとするというような条例は作れないものかと思いました。東京都は基準が厳しいと聞いたことがあります。調べてみたいと思います。
写真 壊れなかった主客門、漆喰壁の塀は壊れた(1995年3月撮影)。修復された主客門と漆喰壁の塀(1998年3月撮影)
第19回 熊本地震の被害④
熊本市東部に隣接する益城町に行きました。宮園地区や堂園地区を通る県道28号はうねり、ひび割れ、多くの家が倒壊していました。その中には古い家だけではなく新しい家も、鉄筋コンクリートの建物もありました。平屋の家は比較的残っていました。こんなに激しい揺れを経験した住民の人たちの恐怖はいかばかりであっただろうと思いました。
立派な瓦葺きの2階建て和風建築の1階部分が倒壊しているのを幾つも見ました。工法は近代工法で伝統建築ではありませんでした。もし揺れた際に瓦が落ちて重量を減らすことができ、また土台がコンクリートでなく石場立てで免震効果がはたらいたらどうだったのかと思いましたが、石場立ての伝統建築は残った中にも倒壊した中にもありませんでした。
営業している食堂が1軒ありました。平屋の木造建築でした。食器は壊れ建物にひびが入ったとご主人は言っていましたが、店の外も中も綺麗に見えました。
写真 2016年6月撮影