第27回 工事の騒音・振動被害

マンション予定地に建つ古い建物を壊す振動・騒音はかなりなものですが、コンクリート打設の際の振動・騒音は耐え難くひどいものです。
コンクリートミキサー車のゴォーンゴォーンというかグァングァンというか、音の低い振動は内臓にひびいて、気分が悪くなります。
ポンプ車のブォーブォーという高い音は、聞いたことはありませんが、まるで恐竜の雄叫びのようです。
巨大なクレーンが荷を動かす時に発する警戒音は、ピヨピヨと気持ちの悪い電子音で不安感をかき立てます。
除夜の鐘の音や保育園の子ども達の声がうるさいと、伝統行事や保育園の建設が中止されるという今日この頃なのに、近隣の低層住宅に住む我々としては、音がうるさいからとマンション工事をやめさせることが、なぜできないのかと思ってしまいます。
写真:ミキサー車とポンプ車。クレーン。

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第26回 ザ・パークハウスの宣伝

浦和区常盤9丁目、岸町7丁目と南区南本町2丁目における三つの三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス」の宣伝が配られました。それぞれのタイトルは「浦和常盤」、「真髄」、「南本町」です。
常盤9丁目パークハウスのうたい文句は「低層の建物を中心とした街並の中、光と風、開放感に包まれる暮らしを。」となっています。常盤9丁目のパークハウス周辺の住民にとっては我慢のならない言葉です。常盤9丁目のパークハウスは低層の家に優良な市民として平穏にくらしていた住人を追い出し、さらに残った低層の住民に甚大な日影被害やビル風の被害を与えて建設する高層の住宅ビルなんですから。ひとに迷惑をかけても自分だけよければいいと思う人が住むのでしょうか?そんな人達の家が、79軒も突然現れるのかと思うと憂鬱になってしまいます。
「南本町」の眺望写真には「眺望は将来的に保証されるものではありません。」と書いてあります。常盤9丁目には、近くに15階のマンションが建つことが決まりました。南や東にすぐマンション建設可能な駐車場もあり「パークハウスの回りを囲む低層の街並みは将来的に保証されるものではありません。」と書かなくてよいのでしょうか。
写真:パークハウスのちらし

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第25回 さいたま市長選公開質問

マンション紛争の被害者の集まりがあると聞き、昨年から参加しています。毎月第2土曜日にパルコ9階で集まり情報交換をしている「住環境ネットさいたま」です。そこが中心となって「ずっと住みたいまちをつくる政策を聞く会」を結成し、前々回の市長選から候補者あてに公開質問状を出しています。今回も中森ふくよ、前島ひでお、清水はやと各氏3名の候補者から回答をもらいました。「ずっと住みたいまちをつくる政策を聞く会」のホームページで見ることができます。 http://machiseisaku.wp.xdomain.jp/
以前はそれほどではなかったようですが、今回は15以上の団体が公開質問状を出したとのことです。回答は市民が関心あることについての公約になるので、公開質問状は有意義だと思います。

第24回 熊本地震⑥ 塀(4)断絶された塀は倒壊しなかった

益城町のブロック塀で地震により断絶され、それによって倒壊を免れたと思われる塀を2カ所で見ました。切れていれば倒れないんだと、思いました。長い塀は東京大学のように始めから切断しておいた方がいいと思います。関係者の方に是非研究をお願いしたいと思います。
写真 地震で断絶された塀。倒壊はしなかった。(2016年6月撮影)

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第23回 東京大学の景観をそこねる建築

ついでに東京大学の建築について:
現在東京大学本郷キャンパスでは新築している建物には、昭和初期の建物群と違って景観を全く考えていない建物が多く残念です。
まず安田講堂です。国の登録文化財であり、最高学府の象徴でもある安田講堂なのに後ろから新築の理学部の校舎がのぞいて、景観がだいなしです。だいたい壊した理学部の校舎は文化財になりうる建物だったのに。全国に土地を持っている東大がなにも本郷だけに、しかも安田講堂の裏に理学部を集中させなくとも、いくらでも方法はあっただろうと思うのです。
つぎに安藤忠雄東大名誉教授が設計した赤門北側の建物です。
東大の塀を見ながら気が付いたのは、震災後の東大の設計は、表通りに面して外側からも美しく見えるようになっているということでした。これでしたら周辺の住民たちにとってより優れた住環境を提供することにもなります。そういう目で見たら、震災後建てられた全ての校舎は道行く人々の目を楽しませることを考慮しているようにも見えました。素晴らしいです。
ところが先日行ってみたら安藤氏の不粋な建物が赤門脇に出来ていてがっかりしました。四角いコンクリートの長いつまらない建物がおしりを市民に見せ、しかも大学の中の景色を見ることも出来なくさせてしまっていたのです。

写真 現在の安田講堂安藤忠雄名誉教授設計の建物

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第22回 塀(3)塀を断絶して倒壊を防ぐ

阪神・淡路大震災の後で東京大学本郷キャンパスのまわりを歩いていて、高い塀の何カ所かに縦に飾りがあるのに気が付きました。そこの塀は切れており、ただ切ってしまうのでは格好が悪いので意匠をこらしたように見えました。もしかして関東大震災で長い塀は壊れると知り、塀を途中で切ることにしたのではないかと思いました。東京大学の施設関係の方や、建築学科関係の方に聞いても分かりませんでした。
第21回で紹介したように相楽園の塀は元のように長く復元されていました。中を補強してあるのでしょうが、途中を区切った方がいいのではないかと思いました。
写真 東京大学の切ってあるように見える塀(1998年6月撮影)。

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第21回 塀について(2)

阪神・淡路大震災の時も、多くのブロック塀が倒れ、神戸市相楽園の主客門は倒れていないのに、脇の長い漆喰壁の塀は壊れるなどの被害を見ました。高速道路も倒れていました。長い建造物は地震の波に耐えられないと思いました。建築基準法施工例の2.2メートル以下の高さでもブロック塀が倒れない保証はありません。子どもが歩いていたら怖いと思いました。例えばコンクリート製のブロック塀は1メートルまでとして、上にアルミ製などのフェンスや木製の塀などとするというような条例は作れないものかと思いました。東京都は基準が厳しいと聞いたことがあります。調べてみたいと思います。

写真 壊れなかった主客門、漆喰壁の塀は壊れた(1995年3月撮影)。修復された主客門と漆喰壁の塀(1998年3月撮影)

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