第29回 保育園賛成運動

14階マンション建設中の我が地区に3階建ての保育園が建つことになりました。14階のマンションの北隣りなので15階のマンションが建つかもしれないと予想していたので、奇跡のような話だと思いました。でもすぐ北側の低層のお宅にとっては3階も15階も日陰になることは変わりありません。ご意見をうかがってみました。孫のような可愛い子供たちが来るので楽しみであるとのことでした。
では我々としては歓迎すべき話で、高層のマンション建設に対しては反対運動をしてきましたが、このたびの3階建て保育園建設に対してはむしろ賛成運動をしたいくらいであると考えました。

子供の声がうるさいから保育園建設が反対されたという新聞記事をしばしば読んでいましたが、説明会で聞いてみると子供の外遊びの時間は11時から12時まででしかないことがわかりました。まだ小さい子供の声はそんなに大きくないですし、容認できる範囲だと思いました。
反対運動の常套句「子供の声がうるさいのではないか、自動車の送り迎えが危険ではないか」と質問する方がいました。住所は浦和区ではありましたが近くの住民ではなく、この建設と全く関係ない人だったのが奇異に感じられました。ちなみに自動車は敷地の中に車寄せのスペースがあり、道路での乗り降りはないとのことでした。

建物の建築費には市が補助金を出すという説明が興味深かったです。出来上がった建物は業者の私有財産になるから、結構業者には有利な話で、保育園経営は商売として成りたつんだと妙な感心をしました。

第28回 ミキサー車のお洋服

 暑い日に白い布を付けたミキサー車がマンションの工事現場から出てきました。一瞬我々のために騒音防止対策をしてくれたのかなと思ってしまいました。でも布が覆っているところは回転部分で音の出るエンジン部分ではなし、そんなことわざわざしないでしょう。以前コンクリート打設関係の仕事をしたことのある人から、「気温が高いと生コンが早く固まってしまい打設しにくくなる。だから夏場は水気を多めにするのだけれど、それにも限度がある」と聞いたことがあったので、もしかしたら保冷剤入りの布かなと思いました。
工事現場の交通整理の人に聞いたら、やはり保冷のためのものだそうです。
「去年は見なかった。今年からですね。メーカーによってやるところとやらないところとあります」とのことでした。
写真:保冷シートの掛かったミキサー車

 

f:id:juukankyou:20171004204937j:plain

 

 

第27回 工事の騒音・振動被害

マンション予定地に建つ古い建物を壊す振動・騒音はかなりなものですが、コンクリート打設の際の振動・騒音は耐え難くひどいものです。
コンクリートミキサー車のゴォーンゴォーンというかグァングァンというか、音の低い振動は内臓にひびいて、気分が悪くなります。
ポンプ車のブォーブォーという高い音は、聞いたことはありませんが、まるで恐竜の雄叫びのようです。
巨大なクレーンが荷を動かす時に発する警戒音は、ピヨピヨと気持ちの悪い電子音で不安感をかき立てます。
除夜の鐘の音や保育園の子ども達の声がうるさいと、伝統行事や保育園の建設が中止されるという今日この頃なのに、近隣の低層住宅に住む我々としては、音がうるさいからとマンション工事をやめさせることが、なぜできないのかと思ってしまいます。
写真:ミキサー車とポンプ車。クレーン。

f:id:juukankyou:20170712211742j:plain

f:id:juukankyou:20170712211800j:plain

第26回 ザ・パークハウスの宣伝

浦和区常盤9丁目、岸町7丁目と南区南本町2丁目における三つの三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス」の宣伝が配られました。それぞれのタイトルは「浦和常盤」、「真髄」、「南本町」です。
常盤9丁目パークハウスのうたい文句は「低層の建物を中心とした街並の中、光と風、開放感に包まれる暮らしを。」となっています。常盤9丁目のパークハウス周辺の住民にとっては我慢のならない言葉です。常盤9丁目のパークハウスは低層の家に優良な市民として平穏にくらしていた住人を追い出し、さらに残った低層の住民に甚大な日影被害やビル風の被害を与えて建設する高層の住宅ビルなんですから。ひとに迷惑をかけても自分だけよければいいと思う人が住むのでしょうか?そんな人達の家が、79軒も突然現れるのかと思うと憂鬱になってしまいます。
「南本町」の眺望写真には「眺望は将来的に保証されるものではありません。」と書いてあります。常盤9丁目には、近くに15階のマンションが建つことが決まりました。南や東にすぐマンション建設可能な駐車場もあり「パークハウスの回りを囲む低層の街並みは将来的に保証されるものではありません。」と書かなくてよいのでしょうか。
写真:パークハウスのちらし

f:id:juukankyou:20170606205453j:plain

f:id:juukankyou:20170606205508j:plain

第25回 さいたま市長選公開質問

マンション紛争の被害者の集まりがあると聞き、昨年から参加しています。毎月第2土曜日にパルコ9階で集まり情報交換をしている「住環境ネットさいたま」です。そこが中心となって「ずっと住みたいまちをつくる政策を聞く会」を結成し、前々回の市長選から候補者あてに公開質問状を出しています。今回も中森ふくよ、前島ひでお、清水はやと各氏3名の候補者から回答をもらいました。「ずっと住みたいまちをつくる政策を聞く会」のホームページで見ることができます。 http://machiseisaku.wp.xdomain.jp/
以前はそれほどではなかったようですが、今回は15以上の団体が公開質問状を出したとのことです。回答は市民が関心あることについての公約になるので、公開質問状は有意義だと思います。

第24回 熊本地震⑥ 塀(4)断絶された塀は倒壊しなかった

益城町のブロック塀で地震により断絶され、それによって倒壊を免れたと思われる塀を2カ所で見ました。切れていれば倒れないんだと、思いました。長い塀は東京大学のように始めから切断しておいた方がいいと思います。関係者の方に是非研究をお願いしたいと思います。
写真 地震で断絶された塀。倒壊はしなかった。(2016年6月撮影)

f:id:juukankyou:20170501202909j:plain

f:id:juukankyou:20170501202942j:plain

第23回 東京大学の景観をそこねる建築

ついでに東京大学の建築について:
現在東京大学本郷キャンパスでは新築している建物には、昭和初期の建物群と違って景観を全く考えていない建物が多く残念です。
まず安田講堂です。国の登録文化財であり、最高学府の象徴でもある安田講堂なのに後ろから新築の理学部の校舎がのぞいて、景観がだいなしです。だいたい壊した理学部の校舎は文化財になりうる建物だったのに。全国に土地を持っている東大がなにも本郷だけに、しかも安田講堂の裏に理学部を集中させなくとも、いくらでも方法はあっただろうと思うのです。
つぎに安藤忠雄東大名誉教授が設計した赤門北側の建物です。
東大の塀を見ながら気が付いたのは、震災後の東大の設計は、表通りに面して外側からも美しく見えるようになっているということでした。これでしたら周辺の住民たちにとってより優れた住環境を提供することにもなります。そういう目で見たら、震災後建てられた全ての校舎は道行く人々の目を楽しませることを考慮しているようにも見えました。素晴らしいです。
ところが先日行ってみたら安藤氏の不粋な建物が赤門脇に出来ていてがっかりしました。四角いコンクリートの長いつまらない建物がおしりを市民に見せ、しかも大学の中の景色を見ることも出来なくさせてしまっていたのです。

写真 現在の安田講堂安藤忠雄名誉教授設計の建物

f:id:juukankyou:20170429201935j:plain

f:id:juukankyou:20170429202008j:plain